というわけで、補習校の送迎は母ひとりで。
車中の雑談タイムが楽しい。ちょっとしたデートみたい。
高速道路を走っていて、「あれ何〜?」と聞いてくる。
何のことかとおもったら、電線に直接くっついたタイプの照明だった。
オランダでは、他の西欧諸国同様、電信柱や電線というものを見かけない。全て地面の中を
走っているのだ。街灯は、だから、ポールの先についている。
そういうモノを見慣れているので、延々と続く電線とそこに規則正しく取り付けられた電灯が
何かわからなかったのだ。
そこで、
・あれは道路を照らす照明である。
・線の中には電気が通っていて、それで明かりがつく。
・もうひとつの、ポールの先の照明も、実はポールの中に電線が走っている。
・(高速道路と平行した鉄道の架線を指しながら)架線の中にも電気が通っていて、それで
電車が動く。
・電気で動くから「電車」という名前。
・(送電線と鉄塔を指しながら)電気は目に見えないが、あの線の中を通って運ばれる。
・あそこを通る電気はとっても強くて、触ると死ぬほどビリビリするから、誰も届かない
くらい高いところに線を架けてある。誰かが間違って触って死んでは困るから。
・(高速道路沿いの変電所を指しながら)あそこで、発電所から来た大きい電気をちょっと
小さくして、家々に送っている。
・家に来た電気は、コンセントからつないで、いろんな器具を動かしたり明るくしたりする
ことができる。
…などといったことを、後部座席のこまめにわかりそうな言葉でざっと話した。
が、私自身、電気の性質についてとことん理解しているわけではないし、ひとことで電気って
何?と聞かれても答えられない。
ようにして電力が生産されるかということにばかり重点が置かれていて、電気が何であるかと
いうことには触れられていなかった。
物事の仕組みや成り立ち、あるいは性質や正体について、自分がわかっていること以上のこと
は伝えられないんだなーと、当たり前すぎることに改めて直面したのだった。
また、こういう、こまめの日常を超越したような話題は、図や写真などのビジュアルの補いが
ないと、とらえどころがないだろう。
(変電所や送電線、鉄道の架線などを実際に見ながら話せたのはとても良かったが。)
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