2014年2月8日土曜日

伝言ゲームのような肖像画

隔週の学習グループにて。
こまめが在籍しているクラスでは、朝の会→ラジオ体操→1時間目(国語)という流れ。
おやつ休憩の後の2時間目は副教科で、毎回趣向を変えて色々なことをやる。

今回、図工の指導を担当させてもらうことになった。
元々の課題候補は「物語の好きな場面を絵にしましょう」(教科書より)。
下準備なしには充実したものが描けるわけないし、せいぜい挿絵のコピーのようなもの
しか出て来ないのが予測できて、どうにもこうにもやってみたいとは思えなかった。
代わりに何をしようかと考えるまでもなく、勝手にアイデアがふわふわと膨らみ始めた
ので、それを実行させてもらうことにした。

題して「モンタージュ・ポートレート」。
絵に描く福笑いというか、ちょっと予想のつかない意外さが楽しい「顔の絵」。

グループでテーブルを囲むように座り、画用紙は縦位置で使う。
画材は、ちまちませずにざっくり描けるよう、黒のクレヨン限定。

手鏡でよく観察しながら、まずは鼻を紙の真ん中に描く。
描けたらとなりの人にまわす(=自分のところには反対側のおとなりさんからまわってくる)。
その鼻の下に、今度は口(唇)をよく観察して描く。描けたらまたとなりへ。
お次は眉毛。…というように、順々に、パーツごとに描いてはまわす、を繰り返し、
耳、髪まで描けたところで終了。
ちょうど一回りして自分の描き始めたものがとんでもない展開になって返ってくる。
一人一人がひとつひとつのパーツを真剣に観察してマジメに描いているのというのに、
とんでもなくおどけた顔がいくつも出来上がるので、教室は爆笑の渦。


図画の教科書的には、ひとり1枚の自画像をじっくり仕上げるのが王道だろうけど、
そんなまじめくさったのはその気になれば一人でもできる。
どうせならグループ制作ならではの奇想天外な展開を楽しみたかった、というのが
思いつきの主な動機。


パーツにフォーカスすることでより細部に注意が注げたようで、年齢が上の子たちほど
瑞々しく描けていたように思う。
あえて顔の輪郭は省略して中心から周辺へと視線をずらすことにしたわけがここにある。

額に入れて飾っておきたいような作品ではないかもしれないけれど、プロセス重視で
ビビッドに「見ること」「描くこと」の醍醐味を味わえたのでは、と思う。


注意点はふたつ。
・思い込みで描かない。鏡をよーく見る。
・「どうせ面白おかしいものができるのだから」とおふざけモードになると、かえって
 つまらない。全員が真剣にやってるのに妙ちきりん、というところに味があるのだから。

一度、大人同士でもやってみたいなあ ^^

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