毎年この時期、オランダの各地に数えきれないほどある農業用温室の一部を一般に開放する
おまつりがある。その名も「温室においでよ!」。
おまめ一家の住む市には、統計によると34軒の温室農家があるらしい。
市のはずれの広大な一角に集まっている。野菜はなくて、花卉農家ばっかり。
(計画都市なので自然発生的にそうなったのではない。工業団地みたいなもん)
そこに住むこまめのクラスメートFちゃん一家が今年は開放するというので、これは行かねば!と
張り切ってでかけた。
Fちゃんのお家ではバラを作っている。黄緑がかった白の、大きめの花だ。
レールに乗せたカートに「収穫」した花や不要な葉などを入れていく。
挨拶を交わした現場の人にちょっと質問しようとしたら…「ダメダメ」と断られてしまった。
実は、従業員はみんなポーランドの出稼ぎ労働者。挨拶ぐらいならにこやかに交わせるけど、
込み入ったオランダ語はごめんこうむりたい、というわけ。
ちなみに、東欧の季節労働者を専門に扱う派遣事務所を通じて斡旋されるそう。
あちらからの安い労働力なしには成り立たないオランダの農業なのだった。
開始時間が合わなくて立ち会えなかったのだけど、模擬競りもやっていた。
新鮮な花、競り落としてみたかったな~。
今回、何よりも驚いたのが、「土がない!!」ということだった。
Fちゃんちのバラは、こういうスポンジ状のもの(実は石綿)からにょきっと生えている。
水も栄養分もチューブを通してここに注入されるから、散水なんてしないらしい。
なんか「園芸」っていうより「培養」って感じ…。
そして、なんとこの状態で6年も育ててるって!
根っこはいったいどうなっとるのか…?
次に訪ねたチューリップ農家も「土いらず」なのだが…
なんとなんと、プラのコンテナ!
ここに天井から散布された水をほどよくためて、水栽培するんだって。
栄養は一切与えない=球根のお弁当のみ。
それで、花が咲いた後の球根は「空っぽ」で次の花が期待できないので、廃棄するしかない。
(これに対して球根農家は、地植えでちゃんと肥料もやって球根を太らせて分球させ、花の方
を処分する。)
うっひゃ~、ビックリした。
ちなみに、チューリップ農家は今がまさにシーズンのピーク。
夏にはユリを育てるけど、その前にキャンピングカーよ!と、温室内の空きスペースを見せて
くれた。わ~、育ってる育ってる(笑)
設備(植物のない温室=広大な倉庫またはショールーム)を生かしてちゃっかり兼業なわけね。
オマケ:ごまめのお仕事は…
コンクリのすきまにほんのちょっぴり、でもずーっとまっすぐにたまった水で水遊び。
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