2013年4月25日木曜日

思いがけないプレゼント

ごまめが、幼稚園から絵本をもらってきた。


市内の幼稚園に通う幼児全員に、市&図書館からのプレゼントだそうな。
オランダ語の絵本の読み聞かせを推奨して、懸案の「オランダ語力の底上げ」を図ろうと
いう試みらしい。
絵本は、定番中の定番『うさこちゃん』シリーズの中から『うさこちゃんとニナ』。
遠い国から飛行機に乗ってやってきた茶色いおともだち「ニナ」とのふれあいのお話。

「おなかみせてー」

異文化の民との接触・共存を象徴した、ほほえましいストーリーともいえる。
もちろん、移民家庭だけでなく、生粋のオランダ人でも、読み聞かせや言葉の習得にあまり
熱心でない人もいるので、そういった家庭も対象に含まれる。

…というわけで、全員プレゼントと相成ったようだ。
絵本好きにはうれしいサプライズ♪♫
しかも、何冊もあるうさこちゃん絵本とはかぶってなかったので、ラッキー☆


以下、絵本に同封されていたお便り。

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保護者各位

市立図書館/ディック・ブルーナ/当市より、こちらの絵本を進呈いたします。

ご存知でしたか? 
オランダで読み書きに困難を感じる人は、150万人にものぼるのです。
これは、皆様と一体となって取り組むべき課題といえます。

皆様のご家族、ご友人や知人の中にも、読み書きに困難を感じるという方がおられるかも
しれません。
そう感じること自体は決しておかしなことではないし、そしてまたそう感じるのはあなた
ひとりではないのですよ、ということを、どうかお伝え下さい。
改善のために何かしら取り組んでみることはできるのです!
ご自身の語学力にさらに磨きをかけたい、ということもあるかもしれません。

語学講座のお問い合わせは、通話無料の「0x00-xxxxxx」へ是非お電話下さい。
読み書き能力の向上のための指導ボランティアとして登録していただくこともできます。
皆様がたのお力添えをぜひ賜りたく存じます。

詳細は、こちら:(市のホームページの中の特設ページURL)

それでは、『うさこちゃんとニナ』を、お子様とご一緒にお楽しみ下さい。
絵本を囲む楽しいひとときを過ごされますよう、お祈り申し上げます。

○○市・市立図書館

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市の教育課「よりよい読み書き」サイトによると、市内の18〜65才のうち、
約12,000人がオランダ語の読み書きに困難を感じているとのこと。

自分の場合、必要とあらばそこそこの読み書きも、また、各種手続きなどもある程度は
できるけれど、まったく問題ないで〜すとカラッと言い切る自信はない。
1万2千人のうちの立派な1人かも…。
まあ一応オランダ語の国家試験の証明書(英検みたいなもの)はあるけど、だからって
得意かっていうと……(モニャモニャ)

移民社会の端的な問題のひとつがこの国語力の深刻な低下だ。
その対策のひとつが、私も通った「移民のための市民化講座」だが、きっとその成果は
投資ほどには上がっていないのだろう。
家庭で話されるのが外国語オンリーでは、親&子のどちらの世代も、オランダ語の力が
追いつかなくて当たり前。そこをなんとかするために、小さい頃から親子で楽しい読書の
習慣を…とのキャンペーンだろうと想像がつく。

日本でも若者の「ら」抜き言葉がどうの、言葉の乱れがどうのという議論はあるが、
日本語そのものを理解しない層が爆発的に増えたら…?という不安は、現在のところは
ないのではなかろうか。
「社会のシステムが機能しなくなる不安」のタネが、少子高齢化とはまた別のところでも
根を深く張りつつある、とある欧州の国でのお話。


〈余談〉
このキャンペーンを予告する地元新聞の記事のコメント欄の議論がとても興味深いので、
オランダ語の読める人は読んでみて下さい。(下から順に読み進めるようです)

(…これが読めてるってことは、まあセーフってことなのか)
(で、さらに返信までできちゃうと、完全にイケテル!ってことかしらね)

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