2011年5月14日土曜日

新世界 のぞき見 〜補習校〜

今日は、アムステルダムにある補習校の見学に行って来た。

正式な名前はアムステルダム日本語授業補習校という。
平日はオランダ現地校やインターナショナルスクールに通う子ども達が、土曜日だけ集まって
日本語で授業を受ける学校。
小学部と中学部、それに小学校入学前の準備期間にあたる半年間に日本語の基礎を固めておく
ための幼稚部がある。
その幼稚部「プリクラス」の説明会に一家揃って行って来たのだ。

無理なく通学できそうか?(家から高速道路で30〜40分)
宿題をこなせるだろうか?
そもそもこまめは学校の雰囲気をどう受け止めるだろうか?
決して安くはない学費を払う価値はあるだろうか?
…などなど、こまめを通わせるかどうかずっと迷っていたのだが、とりあえず見に行って話を
聞いてみようと相成ったのだ。

到着してまずは施設(立派な校舎や体育館、広々した運動場)に感心する。
きちんと準備された概要プリントなどの形式にも感心する。
数種類のプリント類を一人分ずつ手早く漏れなく配布できるよう、タテヨコ交互に積んで置い
ておくだなんて、日本にいた時には当たり前だったかもしれないようなことが、大雑把社会に
住んでいると強烈に印象に残るのであった…。

集まったのは約20組の家族。
いきなり子ども達と親が別々の部屋へ。
親は説明会、子ども達は日本語能力を調べるためのテストをしますとのこと。

説明会でお話しして下さった方々が冒頭で「おはようございます」と挨拶される度に、おじぎ
というか会釈で返す保護者一同。
ああ、日本社会なのだな、ここは…と、これまた感心。
先生の口調がいかにも「幼稚園/小学校低学年の先生」のイメージそのまんまだったのにも、
さりげなく感心。
(あっ、そんなディテールにばかり目を配っていたわけではありませんよ、ちゃんと話も聞い
てましたよっ、汗)

カリキュラムの話から安全・保険についての話、宿題の具体的な内容、家庭での学習や生活の
心得など、いろいろと伺うことができた。
顔見知りのお母さんと再会して軽くお話できたのもよかった。

先生のお話より:
「皆さんもそうだと思いますが、私もこのくらいの年齢の頃、親は勉強のことなどな〜んに
気にしてませんでした。な〜〜〜んにも。日本にいれば普通ですよね。
でも、外国語環境の中で日本語を維持しようと思ったら、そういうわけにはいきません。
はっきり言って大変です。宿題もたくさん出ます。
そういう生活に突入するわけですから、そのために、言葉だけでなく、生活リズムそのものの
基礎をつくる時期と捉えていただけたらと思います」
…フムフム…。

ちなみに、なぜか一番楽しんでいたのが、ごまめ。
しょっぱなから、とある女の子が気に入ってしきりにあそぼあそぼとアプローチしていた。
説明会の間、静かにしていられずに父に連れられて退室したのだが、そこで黙々とお絵描きを
する子達に近寄っていって、お道化で一気にみんなの緊張をほぐすことに成功していたらしい。
まさにピエロ…。

さて、日本語テストというものの内容がどんなのかとても気になっていたので、帰宅してから
「おかあさんたちがいないあいだ、みんなでなにしてたの?」と聞いてみた。
こまめ曰く「おべんきょう」だと。へ〜そないでっか。
 ・長い四角に名前を書いて、丸には車を描いた。
 ・大きい歯ブラシと小さい歯ブラシの絵。(??)
 ・自由にお絵描き
 ・読み聞かせ

プリントの内容はいまひとつ意味不明だったが、何をどこでどのような順序でやったか、結構
わかりやすく話してくれたのには驚いた。
思うに、日本語で体験したことだから、日本語で再現しやすいのだろう。
オランダ現地校やダンス教室での出来事をあまり意気揚々と話してくれないのは、疲れていた
り本当に忘れてしまっていたりする以外にも、きっとオランダ語で体験したことを言い換える
のが面倒くさいというかややこしいんだろうな、と薄々感じていたのだが、まさにそれを証明
するかのような反応だったのだ。

それから、毎度毎度「早く食べろ」「さっさとしろ」と叱られ続けている遅食派ののんびり嬢
なのだが、今日に限ってはさくさく食べて、しかもおかわりまでした。
その上、食後にみんなの食器を台所に下げ、台拭きでテーブルと、それからごまめの椅子まで
拭いてくれた。
これには父も母もビックリ。
「なんで急にそんなお手伝いするいい子になったの?日本の学校に行きたいの?」と父が聞い
てみたところ、図星だった…。
なんだかやる気まんまんですよ、この人…。

お家でお母さんと一緒にコツコツお勉強できない子とか、先生のお話が聞けない子は通えない
んだよ、来なくていいって言われちゃうんだよ…と、脅しのような本当のことを言って本気度
を確かめてみている。
今はワクワクでも、そのうち中だるみというかモチベーションがひゅーんと急降下することは
普通にありえる。ダンス教室でも経験済みだ。果たしてそれを乗り越えられるか?
申し込み期限は1週間後。
さてはて、どうするか?

6 件のコメント:

  1. 一応、行かせてみられては?
    うちの息子は、プリクラスから小学校2年生の終わりまで
    いましたが、それだけでも結構日本語の基礎は付いたと
    思います。
    只、駐在員さんのお子様のテンポに合わせますので、
    お勉強は結構きつーござーます。お覚悟を!
    お行儀もよくしないと怒られます。
    楽しんで、頑張られると良いと思いますが。

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  2. 行く方向だね。
    本人がやる気なのが一番だよ。とりあえず半年様子見てみたらいいでないの?と思います。
    そっちの方向を考えていない私らも地元の方、動かなくちゃね。

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  3. わーこまめちゃん、そんなに行きたいんですね!
    これはもう、オマメさんの今までの努力の賜ですね!
    この勢いでいけば、補習校でも純日本人を抜いてトップの成績ですよ!

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  4. >おぷーさん
    息子さん、2年生まで通われてたんですね。
    今振り返ってみて、ご本人はどのように感じておられるでしょうか?
    テンポの早さと宿題の多さについては、近所の先輩お母さんから伺って
    おりました。
    本人がイヤだと言えば無理して通わせなくても、と思っていたのですが、
    実際経験させてみないとなんとも言えないですねえ。

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  5. >ぺっぺんさん
    目撃者=父によると、一緒のテーブルについていた子と早速仲良さげに
    打ち解けてたらしいです。かーたんとか許嫁のPくんに似たタイプらしい。
    なんかツボがあるのかね…。
    地元のも、始動に向けての準備、お手伝いさせてね。

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  6. >garapyさん
    昨秋の体験入園の際にポンと飛び込んでいけたので、意外と度胸あるなあ
    とは思っていました。その時は口数が超少なかったそうですが、彼女なり
    に存分に楽しんでいたようです。
    今通っている現地校の担任の先生が、こまめの日本的要素にとても肯定的
    なので(ひらがなで記名したりすると咎めず感心してくれたり)、日本の
    ことをちょっぴり誇りに思っているような節があります。
    それで、日本の学校に対する憧れのような気持ちもあるのかもしれません。
    親がどんなに日本文化礼讃しても、身近な人たちに嘲笑されたり否定的な
    態度をとられたりすると恥じる可能性もあるのですから、ありがたいこと
    ですね。
    成績はフツーでいいので、この誇りを失わずにいてほしいと願ってます。

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