2011年5月30日月曜日

もうひとつの日本語サークル

6月より、地元の仲間数人による4〜5歳児が対象の日本語教室が始まる。

これまで月に一度読み聞かせの会で一緒に遊んでいたのだが、そろそろ文字の習得をめざそう
かという年齢に達した子ども達を集めて、隔週でひらがなや季節の歌などに親しんでいく。
講師役は2名、お母さん達が順ぐりで。
少人数(4〜5人)ゆえ、会場を借りるまでもなく、当面はメンバー宅の空き部屋を使わせて
もらうことになっている。

ちなみに、アムステルダムにも、補習校という選択肢は取らない家庭の子向けの教室がある。
オランダ社会で生きていく子ども達のための日本語学習の場、ということで、日本の小学校と
同進度をめざす補習校よりはゆっくりマイペースながら、グループでの継続した日本語習得の
機会を…というニーズに合わせた教室が毎週日曜日に開催されている。

アムステルダムまで通わせずとも、せっかく地元に同年齢の子達とやる気にあふれた母親達が
いるのだから、何かできないだろうか…とイニシアチブを取ってくれたメンバーが何人かいて、
試行を経てのち実現の運びとなった。

補習校と同じ土曜日開催なので、とても迷ったのだが、結局こまめは補習校プリクラスに半年
トライしてみることになった。
その上で、入学までの間、こちらの方もご一緒させてもらうことにした。ほんの数ヶ月の間な
のが残念だが、この先が楽しみな活動である。
この子達の妹や弟のグループが形成される日も遠くないだろう。


さて、その記念すべきスタートとなる6月のテーマは、「かえる」。
『かえるのうた』の輪唱にもチャレンジするという。
調べてみたら、歌詞にいろいろなバージョンがあることがわかって驚いた。
(おまめは「ゲロゲロゲロゲロ クワックワックワ」と習った。関西限定説濃厚)
さっそく今朝の登校時、車の中で歌ってみた。
オランダ人のクラスメートも一緒に乗っていたのだが、短い歌詞の半分は擬音語なんだから
いいでしょ〜、と巻き込んで。

低年齢の子も一緒に遊ぶ読み聞かせの会の方でも同じテーマを扱うことになった。
テーマを連動させることで、両方出席する子達にとっては続きの話題となり、さらに印象に
残るだろう…というわけ。
カエルがらみの絵本を読んだり、折り紙でぴょんぴょんがえるを作って遊んだりするという。

季節柄選んだテーマだと思うが、親しみやすく、実に奥深い。
先日の「なのはな」同様、国語としても理科としても扱える。
菜の花の句(与謝蕪村)の次は何にしようか…と探していたのだが、これで芭蕉の「古池や…」
に決定!

上記『かえるのうた』の楽譜をいただいたのだが、そういえば音符のことをおたまじゃくし
とも言う。
音の記号ということで、ちょっくら紹介してみようか。
幸い『かえるのうた』は、上がって下がって平らで…、実に単純な譜である。

クラスの仲の良い男の子の家におたまじゃくしがいるらしいという情報を得たので、近日中に
見せてもらいに行こう。

その他、「かえるぴょこぴょこ みぴょこぴょこ」の早口言葉。
草野心平の詩も良さそうだ。

タマゴ→おたまじゃくし→足が生え→カエルになる、という時系列を並べる練習にもなる。
まさに起承転結。魚もどきから足が生えるなんて、「転」でしかないよなあ。

田んぼやため池とカエルの切っても切れない関係、そこから連想される様々な情景を思うと、
日本の気候風土・産業、すなわち環境と、情緒の結びつきの強さがよくわかる。

ちょっと自分で考えてみても次から次へと案が出るところをみると、とても扱いやすい上に
や奥行きの出しやすいテーマであるようだ。
新しい日本語サークルは月に2回の予定。
その余白の時間に、せいぜい家庭で膨らませてみたいと思う。

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