2011年3月20日日曜日

in the twilight of machinery

震災から1週間以上が過ぎた。
この間、ニュースなどを通じて多くの人達の「生きる力、生き続ける力」をたびたび目にし、
不安に揺れる心に光と熱を注いでもらった。
励まされたと同時に「さあ、お前はどうする?」との問いを突きつけられているようにも
感じられた。

最前線で文字通り命を賭けて決死の任務を遂行された方々
彼らを後方で支えた仲間や家族の皆さん、
信じられない速度で道路や橋を修復していく工事現場の方々、
必要とされるありとあらゆる物資を運搬する業者の方々、
過酷な現場での救援活動とその後の手当や処置に従事する方々、
電話の使えない被災地の人達に配達再開で情報と安心を届ける郵便局員、
家族を失っても必死で前を向いて歩みを止めずに生きていこうとする被災者の方々、
被災地から遠く離れた土地で自分のやるべきことを淡々と、しかし心を込めて続ける幾万の
人々…
枚挙にいとまがないが、本当にこれまで意識することのなかった人間社会の原動力といった
ようなものを見せつけられている気がしている。

今この土地で自分なりにできることは何だろうと考え、ささやかな募金活動を仲間と、そして
個人で企画中である。
しかし、そういった「今すぐ目に見えて動けること」以外にも大事なことがあるということに
気付かされた。
誰かが「今は地道に働いて、復興したら東北に旅行に行きます」と書いていたが、そういう
長い目で見た支援の仕方もあると思う。
「この先の日本を支えていける立派な社会人になるために、今一生懸命勉強します」と書いた
学生さんの決意も尊いと思う。
日本経済が沈んでしまわないよう、目の前の仕事をこなし、お金を遣って経済を回し続けること
の大切さを説く人もいる。

その文脈から自分にできることを考えたら、二人の娘、こまめとごまめをちゃんと育てること
だという結論に至った。
人の痛みに寄り添い、必要とあらば手を差し伸べられるような大人に育てること。
自分達が子どもの頃に起こったこの大災害とその復興の軌跡を、間接的に自分につながるもの
として理解できるような大人に育てること。
それが、目下専業主婦で現金収入のない私にできる、実にささやかではあるが、きっと未来に
つながる貢献の仕方ではないかと、今思う。


さて、ここ数日、元気が出るので頻繁に見ている動画がある。
須藤元気さんのユニット「WORLD ORDER」のビデオ。
 「WORLD ORDER (TOKYO) (N.Y.)」「MIND SHIFT」「BOY MEETS GIRL

昨日新作がアップされたとのことで見てみたら、もう、スゴイの一言。
超絶のパフォーマンスもさることながら、日本で回っている社会というものの断面の、基盤の
部分を見せられた気がした。
最初は興奮して、ものすごく元気になれた。
その後で、とても、とても悲しくなったのはなぜだろう…? 何回見ても涙が…。

聴き取った歌詞の一部をここに引用させていただく。

   - - - - - - -
   灰色の服まとい リズムにとらわれた朝
   いつもと同じ瞬間 止めない生産ライン
   何かが欠けてる in the twilight of machinery

   Where's the world going? Won't somebody tell me?
   Are these thoughts illusion? Are we all one?
   この世界は変われるのか
   この思いは幻か

   People find the work to be done
   人は働き 鳥歌う
   - - - - - - -         (『MACHINE CIVILIZATION』WORLD ORDER)
                    

また、彼のブログでこのような言葉を見つけた。

   - - - - - - -
   この災害は文明の転換点となるものだと捉えています。
   - - - - - - -
   出来事というのは中立です。
   この深い闇の中をさまよう僕らですが一人ひとりが恐れを手放し、前向きに事と向かい
   合えばどんなことでも乗り越えられるはずです。
   世界は変わりません。僕ら一人ひとりが変わるのです。そうすれば世界も変わります。

                             (須藤元気 3月17日木曜日)                  

機械文明の黄昏の後には、どんな朝が来るのか。
見届けるのはきっと、こまめ&ごまめの世代。

0 件のコメント:

コメントを投稿