2011年2月4日金曜日

オランダの保育園・幼稚園

先日、オランダの小学校について触れたので、その前段階である保育園・幼稚園についても少々。

オランダでは、両親が働いていて赤ちゃんの頃から保育園(Kinderdagverblijf)に預けられている
というのでなければ、2歳半前後から幼稚園(Peuterspeelzaal)に通うのが一般的である。

保育園が親の勤務時間に合わせて朝から夕方までの長時間なのに対し、幼稚園は午前中(9時頃
〜11時半)か午後(1時〜3時)の短時間プログラム。
幼稚園では果物やビスケットなどのおやつを一緒に食べることはあっても食事はしないので、
お昼の前か後、という時間設定なのだ。週に2〜3日を選択して通う。

保育園には各年齢ごとに分かれたグループと、赤ちゃんから小学校に通い出す4歳までの子を
集めた縦割りグループとがある。
幼稚園は、2歳半から4歳直前までが一緒に活動する。

保育園では食事やお昼寝などの基本生活と遊びの時間を集団で行うのに対し、短時間の幼稚園
では歌や工作、読み聞かせや外遊び、といった活動内容が中心である。
保母さんが「みんなのお母さん」的であるのに対し、幼稚園ではより「先生」的だ。

保育園に代わるものとして、日中数人の子を集めて有償で自宅で面倒をみてくれるOppas
(オッパス。文字通り、面倒を見ていてくれる人、という意味)に預けるという選択肢もある。
保育園に比べて少人数で家庭的なのが特徴で、自分のところの子育てに一段落した女性である
ことがほとんど。その場合、年齢に達した子ども達はOppasさんの元から幼稚園に通って来る。
そうすることで、小学校に通う前にある程度大きな集団での生活に慣れさせようというわけだ。

Oppas以外の家庭的保育のもうひとつの選択肢はAu Pair(オーペア)。
外国人の若い娘さんであることが多く、オランダ語やオランダ文化について学ぶために住み込み
で住居や食事を提供してもらう代わりに家事や子どもの面倒を見る、という、現代版の「ねえや」
である。


さて、我が家の場合。
こまめが1歳になる直前、「移民の市民化教育プログラム」のため通学せよとのお達しが私の
元に来たので、こまめを保育園に預けねばならなかった。(ちなみにその際の保育園の経費の
一部と学費、教材費、交通費、国家試験料はすべて市によってまかなわれた)
しかしその通知は突然だった上に来月から講座に参加しろ、との内容で、こまめをどうしようか、
少々慌てた。

通常保育園には長い長いウェイティングリストがあり、妊娠中から登録しておかないと産後数ヶ月
での職場復帰に間に合わない。こまめが近所の保育園の縦割りグループに即刻入所できたのは
例外中の例外、ラッキーだった。

その保育園は同じ施設内に幼稚園も併設している所だったので、母の通学に合わせた1年間という
契約期間が切れた後、通常の2歳半よりは幼い1歳11ヵ月ではあったが、場所にも集団生活にも
慣れているしいいですよ、とのことで、そのまま幼稚園にスイッチすることになった。
そこで小学校が始まるまでの2年間、週に3日、楽しく過ごさせてもらった。毎度毎度、連れて
帰るのに苦労したほどである。

母にとっても、気のいい先生やお母さん仲間との出会いは、小学校という「大きな世界」に出る
前の、居心地の良い「小さな世界」という大事なステップだった。親もまた、子どもと共に少し
ずつ世界をひろげていくわけである。
こまめが「大きな世界」をずんずん切り拓いていっている今、ごまめと共に再びあの「小さな
世界」に足を踏み入れるのを楽しみにしている。

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