2011年2月23日水曜日

知覚に燃えるごまめの敏感期

今日でごまめは1歳3ヵ月。
ここ最近のブーム、またの名を「敏感期」について記しておこうと思う。


その前にまず「敏感期」の説明をば。
「敏感期」とは、モンテッソーリ教育の基本となる捉え方のひとつで、

 (子どもが)あることに対して特別に情熱を燃やしてかかわる短い限られた時期 

と、『お母さんの「敏感期」』(相良敦子著)というモンテッソーリ入門書には書かれている。
発見者であるオランダの生物学者ド・フリース(1848〜1935)によれば、
 
  全ての生物は幼少期に、自分の将来に必要なことのために、あることへの感受性が非常に
  敏感になり、それを環境の中に見つけだし、強烈にかかわっていく特別の短い時期がある。
  そのことを獲得すると、その感受性は鈍感になり、また次のものへの感受性が高まる
                          (『お母さんの「敏感期」』より)

…ということだそうで、ド・フリースに勧められてモンテッソーリは人間の子どもを自分の
目で観察することになったそうで、その結果、次のような結論に達した。

  子どもはその感受性が強い時期に、その知能の獲得をし遂げるのです。
  ……この感受性の期間に、それが及ぶ範囲の能力の獲得がすめば、初めて無関心と怠惰の
  ヴェールが子どもの心の上に覆いかぶさります。しかし、こういう情熱の一つが消えるか
  消えないかに、もう次の炎が点火されます。こうして子どもは次々と新領域を獲得してい
  きます。
  ……この感受期が過ぎ去ると、その後の能力獲得は、頭を使う活動、すなわち意思の力を
  用いての努力によらねば達成できません。          (『幼児の秘密』より)
 
実際そばについている大人にとっては、以下の心構えが一番参考になる。

  モンテッソーリ教育が「敏感期」というとき、それは燃え上がる命の輝きが特徴です。
  ……それが敏感期だからなのだと知っていれば大人は感動しますが、敏感期のことを知らな
  ければ見過ごしてしまったり、苛立たしく思ったりするでしょう。
                          (『お母さんの「敏感期」』より)

具体的には、例えば何かを順々に並べなくては気が済まなかったり、延々とハサミで短冊を切る
作業に熱中していたり、飽きもせずにフタの開け閉めをやっていたり、蛇口から出てくる水の
感触を味わい尽くすべく洗面所にこもったり、そういったこと。
知らなければ「早くして〜」「変な所にこだわってグズグズしないで〜」と思ってしまいそうな
ところだが、そうと知っていれば「なるほどこれか」と見守る余裕も出るというわけ。

(モンテッソーリ教育の重要な概念としての敏感期について、さらに詳しくはこちらを参考に)



さて、ごまめがここ最近夢中になっているものにはいくつかあるのだが、その中でも特に顕著な
ものをふたつ。

まずは「匂いの敏感期」。
「ちょっとクンクン」という感じではなく、鼻のところに持って行ってしばし深呼吸するような
熱心さ。その辺に手を近づけると、なぜか自動的に指を吸ってしまうようで、ちょっとマヌケな
見た目なのだが、本人は真剣そのもの。
さらにマヌケなのが、パンや果物などの食べ物の匂いをかぐ時。食べ物を持って口元まで持って
行きながら、口に入るのは親指で、食べ物は鼻へ…。

お気に入りの毛布やガーゼのハンカチ、母の手、洗濯したての洗濯物などの他に、香り付きの
紅茶の袋がよろしいようで、いつも古新聞の箱から出してくる。
左の「トルコ風アップルティー」が一番人気。甘〜いイチゴの香りの方が好きそうだと思って
いたから、意外だった。


そして、もうひとつのブームは、これは何と名づけたものか…「液体入り容器の敏感期」とでも
しておこう。
瓶が立つということも面白いし、手に持った瓶の中でシャカシャカと液体が動くのも面白いし、
ゆっくり動かしたときの重心の移動も面白い。とにかく非常に惹き付けられる存在のようで、
よく振り回している。
ガラスの瓶(中身入り)にも興味を示したのだが危ないので以下の3本(約300ml)を用意して
やったところ、真ん中のものが一番気に入った様子。おそらく水の量が関係していると思われる。
(左の瓶はほぼ満タン)


匂いも瓶も、ある時期がきたらパタッとやらなくなるであろうことは目に見えている。
そうやって「世界の感触」を次から次へと知覚中なのだろう。

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