2011年2月23日水曜日

文体練習

このブログの文体は、読んでの通り、「です・ます調」(敬体)ではなく「だ・である調」
(常体)である。
始めた当初のブログの性格が「皆様に向けて発信」というよりは「おまめ一家の記録」という
色合いが濃かったからである。メモなので、簡潔に。
ただ、いささかおカタい印象も与えるので、いろいろな方が読んで下さるようになった今、
もう少しソフトに書いた方がいいのではないだろうか…と思うことも時々あるのだが、なんと
なくズルズルとそのままにしてある。


さて、おまめが文体について考えるきっかけとなった本がある。
10年以上前に借りて読んだ『サルでも描けるまんが教室』、通称『サルまん』。
「トレンドのふりかけをパッパと振りかけることで普遍的かつ凡庸なテーマが途端に今ウケ
するものに」という手法などの各種マンガのパターン分析は、マンガに留まらず身の回りの
あらゆる創作物を捉える上で非常に参考になった。
絵柄や下品なギャグなどのせいでPTAには黙殺・敬遠されそうだが、内容的には若いうちに
こそ知っておいてほしいようなことである。(元から洞察力のある人には必要ないが)

同様の理由で愛読している連載が、サイゾーウーマンの『女性誌速攻レビュー』。
サブタイトルには「隠れた珍世界を定点観測」とある。
綿密にカテゴライズされた女性誌の読者の世界観をこれでもかと見せてくれるオムニバス作品
のような連載である。
このようなタコ壷化現象の一部が原宿のゴスロリ系や渋谷のギャル系などの写真を通して海外
にも紹介されキッチュとして認知されているが、このレビューを見る限り、壷の種類と階層は
もっとずっと多そうである。
ひとくちに「キレイになりたい」と言っても、ギャル系ママと財力のある中年婦人とではその
アプローチの仕方も大違い。願望のターゲットも様々で、人ごととして眺めるには痛快極まり
ない。日本のような加速度のついた消費社会から一歩引いたのんきな土地で暮らしているが
ゆえの「対岸の火事」的見物なのかもしれない。

多面体をくるくるとひっくり返して同じことを違う光で見てみるような文学作品には、
レイモン・クノーの『文体練習』がある。単純な設定を99通りにも書き換えてあるのだ。
限られたパーツでいかに奇想天外な表情が出来上がるか、という福笑いのようでもある。
いずれ、こまめがもっと大きくなったら、言葉あそびの延長のような感じでこういった練習
をやってみたいものだと密かに思っている。

ちなみに、語尾を変えるだけなら、OfficeのWordにそのような機能があるらしいですね。

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